うちなあぐち文法提要第三章B.形容詞編   

B. 形容詞編

・沖縄語の形容詞の終止形は-san の形になります。
 そしてこれは元来-sa+an でした。
 (takasan「高い」を例にするとtakasa+an, つまり「高さ+ある」という構成です)
 よってその活用も基本的には存在動詞「あん」と共通となり、
 基本語幹 ●-sar- , 連用語幹 ●-sa- (丁寧形は②で接続), 音便語幹 ●-sat- です。
 但し、単純形グループの接辞は、-u- を介さずに直接-sa-の後に接続します。

※その他の特徴

・未然形、禁止形、命令形は存在しない。
 (基本語幹を使うのは確定条件形と義務形、仮定条件形ぐらいか?)

・副詞形が存在し、否定形はそれと「ねえん」を組み合わせて表現する。
 副詞形の作り方:①基本語幹から-sar-を取り除いて●- の形にする。
            ②そこに-ku または-shiku を後続させる。
            (どちらを用いるかは古典日本語のク活用とシク活用に大体対応する)

 否定形は、●-ku/-shiku+(助詞ya)+neen=●-ku/-shiku-neen または
                          ●-koo/-shikoo-neenとなる。

・また、否定形は●-sa(a)-neen でもよい。

・特別な接続形●-sanu が存在し、「~なので、(~が)~くて」を意味する。

・時制は過去(直接・間接の区別なし)と回想のみ。

・心情を表す形容詞の「思う・感じる主体」が一人称以外の場合は、
  ●-saa-sun「~そうにする」(サ変「すん」変化)を用いる。

  (共通語で「あなたが恐ろしい」が「私はあなたを恐ろしく思う」
    という意味になるのと同じことが沖縄語でも起こるため)




(C. 形容動詞編)

・沖縄語には形容動詞というカテゴリーは存在しません。
 元来は本土方言の形容動詞に対応する形は殆どなかったようですが、
 共通語の形容動詞を借用する場合は、「名詞+やん」として処理するようです。
 ただ、「形容動詞の活用」といえそうなものもおぼろげながら存在するので、
 一応載せておきます。

・否定形:○-(や)あらん
・副詞形:○-に (「に」は格助詞からの転用と解釈できる)
・終止形:○-やん
・連体形:○-な (従来用いられてきた「やな(嫌な)」などの連体辞「な」を利用する)
 ※その他の諸形は「やん」の活用から導出する。




以上で用言はおしまいです。


また加筆するかもしれませんが、「うちなあぐち提要」はここでひとまず終わりです。
理論的には、この提要で示した知識の体系さえあれば、沖縄語を解読し、
また共通語文を沖縄語文へと(表現の自然さは措くとしても)移しかえることが可能となるはず。

「手軽に見られるおさらいメモ」のつもりが、意外と壮大な体系(笑)になってしまい、
ビギナーには敷居が高くなってしまったでしょうか。
まあ八割方以上、沖縄語の文法を体系的に記述したいという自己満足の産物ですが、
もし、沖縄語を勉強している方がこのまとめを目にするということがあるのなら、
一度勉強した文法の知識の整理にでもお役に立てばと思います。



あんしえやあー。
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by bulbulesahar | 2011-06-21 07:23 | ウチナーグチ(沖縄語)

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